ブラックダイヤモンドのリンクPAS(パーソナル・アンカー・システム)をレビューしたいと思います。
5つのダイネックス製ループを、22knの強度で連結したコード。セルフビレイや支点構築に使えます。
①装着場所がハーネスのタイインポイントで、上下2カ所に通すので安全性が高い。
②近年、流行りのダイナミックロープ製ランヤードのようにビレイループに取り付けないため、同ループの摩耗を抑えられる。
③58gと軽量である。
個人的には、これら3点を気に入っています。長さ87.5cm、価格は6930円(税込、2025年12月)。
かさばらない 動きやすい
リンクPASは、ダイネックスの軽量性を生かし、薄く、かつ細く作られています。
ダイネックスは、軽くても鉄の8〜10倍の強度がある素材です。
メーカーの指示通り、タイインポイントにガースヒッチで装着しましょう。ループが細いため、同ポイントに十分な空間を確保でき、メインロープを8の字結びで通した時も邪魔になりません。
登っている最中や、地上にいる時は、ループがある程度動く余裕があります。上下2カ所のタイインポイントを縛り上げないため、クライマーのムーブを妨げません。

これに対し、ダイナミックロープ製ランヤードは直径9mm台のものが多く、ガースヒッチできるようにするため、末端は折り返してループを作り縫合されています。
タイインポイントに装着する場合、ランヤードのロープ2本が通ることになり、空間に余裕がなくなります。狭い空間に通した結果、股を縛り上げたまま動かなくなり、人によっては痛いと感じるかもしれません。

ビレイループの摩耗
ムーブに制約が出るので、ダイナミックロープ製ランヤードは、ビレイループに取り付けるのが一般的です。
私も2年ほど使いましたが、どうも同ループの毛羽立ちが早いような気がします。
荷重が掛かると、ランヤードが絞り込むように左右から圧力を加え、ループのスリング素材を縦2つに折るような格好になる時もありました。
リンクPASは物理的にビレイループを使わないので、ハーネスが長持ちすると思います。

シングルピッチなら
ダイナミックロープ製ランヤードの利点は、落下した時に一定程度、衝撃を吸収してくれる点です。
ペツルのコネクトアジャスト(120g、税込9130円=25年12月)が代表的で、同社HPは「小さな墜落の際にユーザーにかかる衝撃をおさえられる」と説明しています。
アンカーポイントよりも低い位置で使う必要があるのは、ほかのPASと同じ。衝撃吸収能力には限界があります。
きちんと整備された、シングルピッチのルートで使うことがほとんどなら、リンクPASを使っても、利便性に大差がないような気がします。
長さ調節機能
リンクPASは、先端のループに取り付けたカラビナに、別のループを掛けたり、外したりすることで、長さを調節します。
一方、コネクトアジャストやカンプのスイングは、無段階調節の機能がついており、長さを自由に変えられる製品が多く、アンカーでの作業が素早くかつ簡単にできます。マルチピッチで便利です。
まとめ
毎週のように岩場で登るなら、ビレイループの摩耗を防ぐため、リンクPAS。
「たまにしか外岩に行かない」「マルチピッチに積極的に取り組みたい」「強度に不安のある支点で、セルフビレイすることがある」なら、ダイナミックロープ製ランヤードを選択するのが、おすすめです。
資金に余裕があるなら、どちらも購入して使い分ければ良いと思います。
私はリンクPASに、ペツルの安全環付きカラビナ「エスエムディー ツイストロック」を合わせて使用。オートロックなので閉め忘れがないほか、安全環を回さなくて良いので素早く作業できます。

