2025年2月、ラオス中南部ターケークの岩場で、クライマーの死亡事故が起き一時、地元当局の指示により全面登攀禁止になっていました。
6月5日現在、山と溪谷社Rock&SnowのHP(2月26日付け)で、死亡事故があったことを確認できます。外国人クライマーのインスタグラムによると、懸垂下降中の事故だったようです。
インターネット上の情報少なく
Rock&Snowによると、2月下旬にはGreen Climbers Homeの利用者に限って、登攀が認められたといいます。
詳細は「Green Climbers Homeのウェブサイトへ」とリンクがありますが現在、事故情報は掲載されていません。
英語でインターネット検索をかけたところ、同時期にターケークでクライミングしていた外国人クライマーの投稿に、懸垂下降で事故が起きたことを示す1件の情報がありました。
投稿を引用すると、
During the first week of our trip to Laos, a tragic climbing accident occurred at the area where we were staying and climbing. As a result of this heartbreaking rappelling incident, the government temporarily closed the site for investigation.
(ラオス滞在第1週目、私たちが滞在しているエリアで、悲劇的な事故がおきました。胸が張り裂けるような懸垂下降の事故の後、政府は調査のため、一時的にこの場所を閉鎖しました)
とのことです。
関係者の名誉のためか、ぼかして書かれているので詳細は分かりません。
懸垂下降中の技術的なミスのような印象を受けますが、既存設置のアンカーの破損などの可能性を完全には否定できません。
ターケークでは、設置後20年以上経過したエクスパンションボルトが少なくないはずです。運営者が詳細を発信していない以上、自身の安全管理にはさらに気をつけて岩場を利用したいと思います。
あらゆる事故想定を
個人的には23年末にタイ・チェンマイのクレイジー・ホース・バットレスで登っていた際、中国人女性クライマーが2ピン目を飛ばしたためグランドフォールして出血し、救急車で病院に運ばれた事案がありました。
しかし事故の記録は、インターネット上のどこにも残されていません。
東南アジアでのクライミング事故は、インターネット上にほぼ記録が残っていませんが、重軽傷のものを含めると毎年起きているとの前提で、注意するべきでしょう。