La Sportiva(スポルティバ)のクライミングシューズ「コブラ」をレビューしたいと思います。
言わずと知れたスリップオンシューズの名作。アッパーにスエードレザーが使われており、裏地がないため足に吸い付くような履き心地です。
①ソールのフリクションが良い。
②ひもやベルクロを締める必要がないため、脱ぎ履きがしやすく、特にジムで使いやすい。
③スラブ、薄かぶり、強傾斜のいずれの壁にも対応する。
これらが特徴で、初心者から上級者まで多くの人が満足できる完成度ではないでしょうか。
エッジング
ソールがビブラムXSグリップ2(3.5ミリ)で比較的柔らかく、剛性もあまりないので、スラブや垂壁の極小ホールドに乗ると足指が疲れます。
特にリードなど登っている時間が長い時ほど実感します。ミウラなど硬いシューズの方が明らかに楽です。
とはいえ、ジムでも外岩でもコブラで5.13を登る人はいますので、作りが悪いシューズというわけではありません。
むしろ練習用として普段から使うことで、細かいスタンスに立つ足の指の力を効率的に鍛えられるのではないしょうか。
シューズの構造を見ると、つま先がターンインしているため、指先が先端に集まり、力が集中しやすい形になっています。
エッジングに特化したモデルと比べると劣るが、十分使えるシューズといった印象でしょうか。
足裏感覚、スメアリング
柔らかい靴なので、登っている最中でもホールドの凹凸などを足裏で感じることができ、最適なスタンスを探し当てることができます。
極小ホールドにも、ソールが若干たわみ、食い込んでしっかり乗れる、という感覚があります。
フラットソールのため、どのような角度でもハリボテの面にしっかりとスメアリングで乗れます。
ソリューションなどダウントゥのシューズは、ホールドの面に対して圧力をかければ靴底が曲がってスメアが効くのですが、垂直に近い角度の面に対しては靴底が曲がらず、シューズの先端部分が接するのみでフリクションが稼げないーというケースも出てきます。
コブラが「オールラウンドシューズ」と評される理由の一端は、この辺りにあるのでしょう。
足裏感覚、スメアリングについては、非常に満足度が高いです。
ヒールフック
アッパーを締め付けるストラップやひもがないため、苦手といってもいいでしょう。
強傾斜のボルダリングでヒールに大きく体重をかけ、乗り込むムーブでは、脱げることがあります。
サイズを小さくすれば、がっちり効くかもしれません。個人的にはサイズを攻めると痛くて、普段の練習時間を短くしなければならない恐れがあるので、好みではないです。
少し厳しい評価となりましたが、スポルティバ は基本的にどのシューズもヒールの作りは良いです。
ごくわずかの厳しいヒールフックのムーブはこなせないが、多くのクライミングは楽しめるモデル、といったところでしょうか。
トゥフック
アッパーにラバーこそ貼られていませんが、ストラップなどがないため、ホールドの面に足の甲を当てやすいです。
フラットシューズのため足指を上向きに反らせる動作もやりやすく、結構効きます。
ラバーがないため、トゥを掛けた際にアッパーが裂けたというブログ記事を見たことはあります。
確かにラバーが貼ってある方が耐久性が出るでしょう。
ただ、私はクライミング歴10年ですが、今のところ周囲で同じように壊れた方はいません。
尖った岩角には、強く押しつけない方が良いのかもしれませんね。
サイズ
足の長さ実寸25.5センチで39がベスト。
38.5も履けるが、足の指を曲げてトゥボックスに押し込んだ際、つま先が立ちすぎて、親指の腹で立てる感覚が薄い。
39.5でも問題ない。地上に立った状態で、足指を数ミリ動かせる。登り始めれば問題ありません。
コストパフォーマンス
スポルティバの中では、1万6,940円(税込=2022年8月現在)と比較的安い。本革で作りの良いシューズが欲しいなら、購入の選択肢に入るでしょう。
本革は裸足で履いても臭いがつきにくく、私は大きなメリットと考えています。
スカルパ や5.10など他ブランドのスリッパシューズはもっと安いですね。人工皮革ながら、2000〜3000円足せばダウントゥのハイエンドモデルが買えてしまいます。
スカルパ ならアッパーが人工皮革でも、インソールは本革のモデルをそろえています。
それでも私はコブラに惹かれ、これまでサイズ違いで3足購入しています。
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