カンプのクイックドロー「フォトン」 マスタースタイル支える軽量性

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クイックドロー、カラビナ
カンプのクイックドロー「フォトン エクスプレス」2017年モデル

イタリアのクライミングギアメーカー・カンプのクイックドロー「フォトン  Express(エクスプレス) KS 」をレビューしたいと思います。

ソリッドゲートのカラビナとしては、主要メーカーの中で最軽量の「フォトン」を採用。

ドッグボーンの長さ11cmのモデルなら重さは86gで、マスタースタイルの強い味方になります。

(※マスタースタイル 取付点からボルトに自分でクイックドローをかけながら、ノーフォールで完登を目指すスタイル)

最上位モデルに当たるので作りが丁寧。ワイヤーゲートは好みではないが、軽量化を図りたい、という人に適しているでしょう。

価格は11cmモデルが3,520円、18cmモデル/91gが3,850円(ともに税込、2022年9月現在)となっています。

サイズ、重さ

カンプのウェブサイトによると、「フォトン」は世界最軽量のフルサイズキーロックカラビナです。ゲート幅25mm、重さ35gとなっています。

カラビナについて、フルサイズの明確な定義はありませんが、一般的にシングルピッチ向けに売られている、握りやすくてクリップしやすい大きさと理解すれば良いでしょう。

このほか、マルチピッチ、アルパイン向けになると、「ミニ」「マイクロ」などとカテゴライズされることがあります。

比較対象として挙げると良い製品は、ペツルの軽量クイックドロー「スピリットエクスプレス」のカラビナ「スピリット」になるでしょうか。ベントゲート幅は25mm、重量は39gになります。

ドッグボーン部分などを含めたクイックドローの総重量は、11cmモデルが93gで、17cmモデルが100g(ともに税込3,575円=2022年9月現在)。

11cmモデル同士を比べると同価格帯ながら、フォトンエクスプレスは、スピリットエクスプレスより7g軽くなります。

仮に30mルートで、クイックドローが14本必要になるとすると、合計で100g 弱の差が出ます。

ハーネスのギアループにギアを掛けると、100gの違いは意外と大きく感じます。自身の登攀スタイルを踏まえ、どこまでギアを軽量化するか判断すれば良いのではないでしょうか。

特徴

カラビナのノーズが先端にかけて細くなる加工を施しているので、クイックドローのギアループからの取り出し、ボルトへの設置・回収がスムーズだとされています。

カンプはこの機能を、「スフェアロック クロージャー(SphereLock closure)」と名付けています。

キーロックシステムをさらに進化させた格好となっています。

確かに注意深く見てみると、他メーカーのものよりミリ単位ですが、薄いです。

このほか、肉抜き加工やゲート周りの作りも丁寧で、ハイエンドモデルならではの高級感があります。

ゲートの開閉もスムーズで、クリップの操作感が良いです。

カンプ「フォトン エクスプレス」のカラビナのノーズは薄く加工されている(右)。ペツルの「ジンアクセス」は耐久性を重視していることもあり、やや厚めの仕上がり(左)

強度

フォトンの破断強度は縦軸22kN、横軸7kNで一般的な範囲と言えるでしょう。

スピリットは、縦軸23kN、横軸8kNと、それぞれ1kN高いです。

教則本「Rock Climbing: Essential Skills & Techniques(Peter Libby著)」によると、通常のリードクライミングの墜落で、クイックドローに掛かる衝撃荷重は3kN〜7kNとなっています。

クライミングで起こしてはいけない落下係数2の墜落でも、発生する衝撃荷重は12kNとされています。

フォトンの破断強度について、心配する必要はないでしょう。

スリング

スリングは「スリングストップワイド」という名称で、11cm/17gが880円、18cm/23gが1,100円(ともに税込、2022年9月現在)です。

ペツルのスリング「エクスプレス」は、11cm/15gが605円、17cm/22gが660円、25cm/25gが715円(同、同)。

エクスプレスの方が、サイズ展開で1種類上回り、価格も安価です。

「フォトン エクスプレス」は、スリングが摩耗により交換時期が来た場合、費用が高くなります。

ただ、スリングとカラビナを同ブランドで揃える必要はありません。ペツルのスリングなどを好みで選びましょう。

所感

カンプは1889年創業の老舗で、信頼性の高いギアを作っています。

日本では、登山靴で有名な「キャラバン」が代理店として、カンプのギアを販売しており、きちんとリコール情報なども発信しています。安心してギアを使い続けられると思います。

知名度としては、ペツルやブラックダイヤモンドに押されがちで、存在感が薄いかもしれません。

ただ、使っている人が少なければ、取り違えによるギアの紛失リスクも小さくなるのではないでしょうか。

イタリアのクライマー、ステファノ・グロッシも愛用しているようです。

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