外岩やジムでリードクライミングをする際、クライマーとビレイヤーは「登ります」「ビレイ始めます」など口頭で指示、合図を送り、どのような作業を行なっているのか互いに明確にすることで、安全確保を図ります。
英語では「Climbing Signal」などと呼ばれます。
一般的に使われる用語を、日本語に訳して表にしたので、知らない言葉があったら確認してください。
即席パートナーとは慎重に
海外でクライミングすると、すべての行動を合図しない人がいます。
よくあるのが、クライマーがルート上でテンションをかけて、休んだ後、合図なしに急に登り始めるケース。ビレイヤーが後方に体重を預けてロープを張っていた場合、一気に荷重が抜けるので、倒れて尻もちをつき、痛い思いをすることがあります。
けがで済めば良いですが、特にマルチピッチなど高所でロープをほどいたり、ビレイを交代する作業がある場合、意思疎通の失敗が死に直結しかねません。
知り合って間もないパートナーと登る場合は、地上でどんな言葉で合図を送るか、確かめ合いましょう。
リードクライマーが指示 短く明確な方が良い
経験者同士で登るなら基本的に、リード中はリードクライマーが短く明確な指示を出しましょう。
リードクライマーがルート上でクリップした後、数m進み、登れないと分かった時に停滞しながら「これ以上は無理だ。どうすれば良い」と言われても、ビレイヤーが困ります。
クライマーがクライムダウンして直近のクリップに戻りテンションを掛けるのか、フォールして墜落を止めて欲しいのか、分かった方が繰り出すロープの長さを調整しやすいです。
シングルピッチで使う一般的なクライミングコール(英日) | |
Climbing | 登ります |
Climb on | 登ってください |
Belay on | ビレイ開始。クライマーが最初のクリップを終えた時に、ビレイヤーが言う |
Take/Tension | クライマーが使うと「張ってください」。ビレイヤーが使うと「張りました」の意味 |
Slack | ロープください |
Watch me | 注意してください |
Tight rope/Up rope | あまりロープを出さないでください |
Falling | 落ちます |
Rock | 落石注意 |
Back clip | 逆クリップ。ロープが体側から壁側に向かってカラビナを通っており、墜落時にロープが外れる可能性がある |
Z clip | ゼットクリップ。直前のクリップより下からロープをたぐってクリップしており、さらに上へ進めなくなる |
Safe/Take | クライマーがアンカーでセルフ取った後、「テンションください」の意味 |
I’m on you | ぶら下がります |
Lower me | 下ろしてください |
Roap | 「ロープ落ちます」。地上に戻ったクライマーが、アンカーからロープを抜いて下ろす時、周囲の人に注意するため使う |
マルチピッチで使うクライミングコール(英日) | |
Off belay | 「ビレイ解除」。リードクライマーがアンカーポイントで自己確保し、セカンドのビレイが必要なくなった時などに言う |
Belay off | ビレイ解除しました |
That’s me | 「ロープいっぱいです」。リードクライマーがアンカーポイントに達し、セカンドをビレイする前、まずロープをデバイスにたぐり入れて、たるみを取る必要がある。ロープがたぐられ、張った状態になった時、セカンドが「ロープいっぱいです」と言う |
On rappel | 懸垂下降始めます |