タイ北部のチェンダオ中心街の東10kmに、石灰岩の岩場6カ所が点在しており、60本余りのスポートルートを楽しむことができます。
ルートは高さ30m前後で、グレードは5台から8a+まで。スラブから強傾斜までそろっており、充実しています。
チェンマイのローカルクライマーが開拓にあたっており、同市から車で1時間半ほどの距離なので、週末に訪れることが多いようです。
岩場の詳細
岩場は、東西に延びる道路約6kmの沿線上に点在しています。今のところアクセスフィーもかからず無料です。
私が確認した限り、メインの岩場Padaengは舗装道路から畑の中を歩いて約200m、別の岩場PitStopも道路から20mで、アプローチはすこぶる良いです。
このほか岩場は、最も西にWhite WhaleとVagabond、 最も東にPa Lai とJapanese Wallのそれぞれ2カ所があります。名称から推測するに、かつて日本人開拓者がいたようです。
23年12月訪問
私は2023年12月、チェンマイの友人クライマーとPadaengを訪れました。
ルートは約30本あり、開拓にはエクスパンションボルトが使われています。
海沿いではないので、腐食が早く進むような印象はありませんでしたが、チタンに比べると耐久性に劣るので気をつけましょう。
ボルト間隔は多くのインドアジムと同程度で、比較的、安全だと感じました。
当時、登ったのは6a〜6c+。いずれも高さ30m前後で、持久力が必要です。
中央右側が強傾斜壁で、ガバで左上した後、薄かぶりの直上につなげる6b+をフラッシュしたのが印象的でした。
エリア右奥は5台があり初心者向けですが、腰丈以上の下草に覆われて、ビレイポイントを見つけられませんでした。簡単すぎるので、放置されているようです。

アクセス問題
2024年、同国北部最大の岩場「クレイジー・ホース・バットレス」は、当局により立入禁止の看板が建てられました。
チェンマイのクライマーにとって、チェンダオは合法的に安心して登れる近郊の岩場と言えるかもしれません。
チェンマイのガイドショップCMRCAのウェブサイトによると、チェンダオの岩場は、公的所有のパブリック・ランドという種類の土地にあります。
クライミングサイトtheCragを見ると、国立公園のレンジャーが2019年ごろ、チェンダオでのクライミングを禁止したが、その後、撤回された、としています。
当時は新型コロナの影響による閉鎖だったようです。再度、アクセス問題が起こらないことを祈るばかりです。
行き方
チェンマイで自動車やバイクを借りて行くのが、最も簡単で便利です。
岩場周辺は畑や森のため、特徴的な目印がありません。theCragでGoogleマップのリンクを開いて、ナビしてもらうのが良いです。
チェンマイからチェンダオには、バスもしくはソンテウでも移動できます。チェンダオ市街地のホステルには、レンタルバイクを置いているところがあるので、岩場に向かうなら借りましょう。
宿
チェンダオは小さな農村といった規模で、宿代は安いと一泊400THB前後からあります。
タイで3番目に高いチェンダオ山や滝、寺院、温泉などがあることから行楽地としても開発されており、市街地にはセブンイレブンや飲食店、市場があるので、しばらく滞在しても不自由はないでしょう。
一泊1000THBを出せれば、木々が豊かな自然の中にある、リゾート風ホテルも選べます。
私が止まったのはChiang Dao Hostelのシングルルームで、一泊450THB。作りはチープですがカビは生えていません。とりあえず寝られれば良いという人向けでしょう。

トポ
市販されているガイドブックはないようです。開拓者のローカルクライマーが、ルートを紙に書き起こしていますが、旅行者がタイミングよく出会うことは難しいでしょう。
theCragに多くのルートが写真付きで収録されているので、参照しましょう。