フランスのクライミングメーカー・べアールのロープ「バイラス」をレビューしたいと思います。
直径10mmと耐久性がある太さのほか、価格も比較的、抑えられているため、普段の練習用として酷使するのに適しています(60mで税込1万9250円=2024年1月現在)。
撥水コーティングがないためか、ロープ径のわりに、しなやかでクリップやビレイもしやすいです。
私は2023年、ベトナムとタイで使用しました。高級ロープではないため、「他人に貸してももったいない」という気持ちも大きく湧かず、現地で作った友人と適度に共有し、クライミングを楽しみました。
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ボビン数 | 48 |
衝撃荷重 | 7.4~7.6kN(1本、落下係数1.77、80kg) |
耐墜落回数 | 9(1本、落下係数1.77、80kg) |
重量 | 63g/m |
外被のズレ | 0mm |
墜落時伸び率 | 35% |
静荷重伸び率 | 8% |
重さ、伸び率
1メートル当たりの重さは63グラム、墜落時伸び率は35%、静荷重伸び率は8%で、10mmロープとしては平均的でしょう。
バイラスを海外に持って行くなら、スタンダードな長さの60mが良いと思います。70m以上になると、9mm前後の細径ロープよりも大分、かさばるので、飛行機の預け入れ手荷物の量が減ってしまいます。
70mロープが必要なロングルートであれば、上部に行くほどロープの重さを感じるようになり、引き上げるのが大変です。
ロングルート狙いなら、細径ロープを選びましょう。べアールなら最細径のジョーカー(9.1mm)が良いかもしれません。
ハンドリング
高級モデルではないため期待していなかったのですが、予想以上にしなやかです。
クリップは軽く、グリグリやルベルソとの相性も良いです。
べアール社のブースターⅢ(9.7mm)よりも太いにも関わらず硬さがない、という印象です。
私が触ったことのある、エーデルリッドのボア(9.8mm)に近い感触でした。
耐久性
23年初夏から同年末にかけて、合計20日余り使用(1日当たり5〜10本)。特に目立った損傷はありません。
外皮は毛羽立ちが少しずつ進行しているといった状態で、エーデルリッドやペツルなど他メーカーと比べ、少し摩耗に弱いような気がします。

コストパフォーマンス
2022年、60mロープは1万6000円前後で販売されていましたが、円安や物価高のあおりを受けて23年に1万9000円台に値上げされました。
クライミングロープは2〜3万円台が主流のため、値上げされたとはいえ、バイラスのコストパフォーマンスはまだ良いと言えるでしょう。
24年1月現在、マムートが「クラシック」を同価格帯で販売しているようです。
感想
摩耗に強い部類に入る10mm径を、価格を抑えて販売しているモデルです。
リードで何度も墜落したり、ハングドッグてムーブを探ったりしても、ロープの消耗が気になりません。
自分のプロジェクトルートのレッドポイントに向けて、酷使して練習するのに適していると思います。
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