リクルートのオンライン学習サービス「スタディサプリ」は、小学生から社会人まで、説明上手なプロの講師陣の動画を活用して、低価格で効率的に勉強できるのが特徴です。
このうち「スタディサプリ English」は、社会人を対象に開発され、①TOEIC対策②日常会話③ビジネス会話ーの3コースを展開しています。
今回ご紹介する「TOEIC対策コース」では、文法や単語、パート別傾向を解説する動画約580本が見放題になっています。
特に文法の説明が秀逸で、講師の授業の腕は、私の中学、高校時代の教師と比べ物にならないほど高いと感じています。
AIが、学習者の解答傾向を分析し、苦手な問題を集中的に出す機能もあり、中・上級者が効果的にスコアアップするのに役立ちます。
TOEICのスコア800点台までの人は、スタディサプリを通じて勉強すれば、スコアアップを目指せるとともに、文法も効率的にマスターできるので一石二鳥です。並行して他社のオンライン英会話サービスでスピーキング練習すると、高い学習効果が得られるでしょう。
TOEIC® L&R TEST対策コース
TOEIC対策コースには、公式テスト20回相当分の演習問題が収録されています。
試験問題を構成するリスニング、リーディング両パートともに、問題を解いて、正解を確認。解説が付いている点は、紙ベースの問題集と、あまり変わらないでしょう。
ソフトウェアとしてサービスを提供しているため、ディクテーションの練習機能がついているのが特徴のひとつです。英語を聞き取り、タイピングすると、きちんと聞き取れたかどうか、確認することができます。
シャドーイングの練習もでき、聞き取った英語を、マイクに向かって発音することで、正しく聞き取れたかどうかを判定。正しいイントネーションで英語を話せているかどうか、学ぶことができます。
PCのブラウザとスマートフォンのアプリ、どちらでも利用できます。
カリスマ講師の解説動画
日本語にない文法概念も簡単理解
TOEICコースのサービスの中で、私が最も価値があると思うのが、文法の解説動画です。
講師は、大手予備校での勤務経験も持つ関正さん。100冊以上の著書があり、「世界一わかりやすいTOEIC® L&R TESTの授業」シリーズは累計80万部以上を売り上げています。
動画は1回5分で、完了形(現在完了、未来完了、過去完了)の違いなどを、黒板に図を書いて、分かりやすく説明してくれます。
例えば時制について、英語と日本語では概念が全く異なります。
日本語では、「(動詞+)〜した」で過去に起きたことを表します。
英語では過去に起きたことでも、動詞を現在完了(直近)、過去完了(過去のある時点から見て直近)、過去形(過去のある時点)と変化させることで、明確にどの時点で起きたかを表現します。
関さんは動画で、現在完了について「過去と現在を結んだ時制だが、圧倒的に現在(に近い過去)にメイン(言い表したいこと)がある」などと指摘。
「ずっと昔からカネがないけど、今特に困っている」と伝えたい時に使われるーなどと具体例を交えて説明します。
黒板に時の流れを表す直線を引いて、どの時制が、過去のどの時点を表現するのに使われるのかを教えてくれるので、視覚的に時間の流れを捉えることができ、非常にわかりやすいと思います。
動画は短く簡潔に編集されているので、通勤時間や昼休憩など隙間時間を活用して視聴できます。
AI機能で弱点克服
スタディサプリのAI機能も便利です。
TOEIC600点以上の人を対象にしており、AIが各個人の学習履歴を分析し、苦手な問題を選んで出題してくれます。
問題数は約4000。間違えた個所は、関先生の動画を見て克服し、繰り返し問題を解くことになります。
毎日アプリを立ち上げる度に、苦手な分野の問題が出題され、理解が不十分な課題の範囲がどんどん絞られる中で練習できるので、嫌でも英語の基礎力が高まるでしょう。
直近で解いた数十問の結果をもとに、英語の実力を15段階で評価する機能もあります。
問題演習は単調になりがちなので、飽きてしまい、継続するのが難しい場合もありますが、短期間なら我慢できるでしょう。
高評価を目指し、短期集中型で学習してスコアアップを目指しましょう。
独学でも良いが…
英文法については、スタディサプリを使わず、独学も可能です。
私はフィリピンで語学留学した際、ケンブリッジ大学出版「English grammar in use」を使いました。
全て英語で書かれていますが、説明が簡潔で、日本語のテキストよりも分かりやすかったです。
机に向かって集中して勉強できる人は、同書を使っても良いと思います。3500円ほどのテキスト代だけで済みます。
高いコスパと満足感
スタディサプリの月額価格は3,278円。一括払いは6カ月で1万8,348円、12カ月で3万2,736円となっています。
高校生が予備校でカリスマ講師の授業を受ける場合、学年やプランにもよりますが、1コマ90分の授業料が2000〜5000円程度。某大手K社の場合、4〜12月の22講義の授業料が、入塾金を含めて15万7,000円に上ります。
予備校講師の授業は、公立高校の教員と比べ、段違いに分かりやすいので、受験生のみならず、英文法を効果的に習得する際の手助けになります。
スタディサプリの関さんも、元カリスマ予備校講師で、アプリ内の動画は「神授業」と言われています。この動画を月額3,000円余りで視聴できるのは、絶対にお得なサービスだと思います。
パーソナルコーチプラン
英語の実務経験者が伴走
TOEICの目標スコアを達成するため、元英語教員らを自分専用の担当コーチとして委嘱し、アドバイスを受けられるのがパーソナルコーチプランです。
別途料金が発生しますが、コーチが学習プランを考え、チャットや電話で定期的に連絡を取って進捗状況を確認しつつ、励ましてくれます。
社会人は、どうしても仕事メインの生活になるので、学習を継続できるかどうかが英語習得の成否を分けます。
短期間で集中的に英語を学ぶ時期を、強制的に作りたいーという人はコーチプランの活用がオススメです。
集中的に勉強したい人に
コーチプランは、3カ月と6カ月の2種類があります。
申し込んだ場合、最初にTOEICの模試を受け、コーチに英語の実力と苦手な分野を分析してもらいます。
コーチからは毎週、学習の内容と時間が盛り込まれた課題が送られてくるので、頑張って解いていきましょう。
その後は毎日、チャットでコーチとやりとりしながら、疑問点を相談できます。最初の月は2回、さらに利用期間の中間地点でもう1回、電話面談を行います。
コーチはTOEIC満点保持者の元英語教員や通訳案内士、米大学院卒業生らが務めています。
価格は3カ月で7万4800円、10万7800円となっています。
生身の人間がコーチを務めるので、それなりに費用がかかりますね。まずはアプリのみ契約して学習コンテンツの内容を確かめ、コーチが必要かどうか判断すれば良さそうです。