フランスのクライミンギアメーカー・ペツルのクイックドロー「ジンアクセス」を、レビューしたいと思います。
同製品に使われているカラビナ「ジン」は、大きめで握りやすいのが特徴。フレームもやや厚めで重量はありますが、頑丈で耐久性が高いのが特徴です。
高精度の加工により、ゲートの動きが滑らかで、クリップがスムーズです。
ペツルの中ではエントリーモデルに位置付けられます。作りが良いので初心者はもちろん、レッドポイントに向けてルートを練習したい中上級者も満足できるでしょう。
価格は税込2,860円(2022年9月現在)。サイズは12cm/107g、17cm/113gの2種類となっています。
(C)ペツル M060CA02・ジンアクセス(ブルー 17cm)【10%OFF】【クイックドロー】【キャンプ&クライミング館】カラビナ「ジン」のサイズ、重さ
ジンは、おおむね縦10cm、横6.3cm(実測値)で重さ45g。ゲート開口幅は、ベントゲートが27mm、ストレートゲートが24mmとなっています。
ペツルの軽量クイックドロー「スピリットエクスプレス」のカラビナ「スピリット」は、ベントゲートの開口幅が25mm、重量は39g。
各メーカーの中で最軽量と謳う、カンプのクイックドロー用カラビナ「フォトン」はゲート幅25mm、重量35gとなっています。
ジンを「スピリット」「フォトン」と比べると、カラビナの肉抜き加工が少なく、厚みがあるので重さはありますが、その分、耐久性で上回ります。
レッドポイントのため練習するルートなら一度、登りながらクイックドローを設置。回収せずに降りて、休んだ後に本気トライする、といった使い方になるはずです。
この場合、軽量である必要は必ずしもありません。耐久性のある「ジン」の方が、激しい練習に長く耐えられるでしょう。
特徴
カラビナ内側のロープと接触する部分に、わずかですが広く丸みを付けた加工が施されています。金属の角で擦られて、ロープが消耗するのを抑えます。

カラビナ自体はスパイン(ゲートと反対側の金属部分)が、ややカーブしているので握りやすくクリップしやすいです。
ボルトに掛ける時も落としにくいです。
ペツルのギアは他社メーカーよりも高くなりがちですが、丁寧かつ機能性の高い加工が施されている場合が多く、購入しても満足度が高いです。
また、今はソリッドゲートの基本機能となりましたが、カラビナのノーズが真っ平らに加工された「キーロックシステム」を搭載しているので、ハーネスのギアループからの取り出し、ボルトからの回収時に引っ掛かりがなく、スムーズに作業できます。
スリング
アクセススリングは16mm幅で、細すぎもせず太すぎもしないサイズ。長さは12cmと17cmの2つが用意されています。
ロープ側のカラビナをスリングに固定する、ゴム製のパーツ(ストリングプロテクター、10個1セットで税込1,540円=2022年9月現在)は、T字型。スリング下部の末端をすっぽりと覆う形状で、岩との擦れから守ります。
ジンアクセスは人気のあるモデルなので、パーツが在庫切れになりにくく、プロテクターが壊れても交換しやすいでしょう。

スリング下部の末端全体を覆い、岩との擦れから守る

強度
ジンの強度は縦軸23kN、横軸8kN、オープンゲート9kNで、平均的と言って良いでしょう。
カラビナ自体のバランスも良く、ボルトの上で横になったりしにくいです。普通の墜落なら、安全に受け止めてくれるでしょう。
ちなみに、ペツルの「スピリットエクスプレス」(11cm/93g、17cm/100g)は、ともに税込3,575円(2022年9月現在)となっています。
ジンアクセスより約700円高いですが、野口啓代さんらトップクライマーも愛用。軽さと機能性を求める上級者にオススメです。
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